保険商品選択のノウハウ

保険商品について注意点を述べていきます
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保険とは何かというそもそも論だけでなく、保険加入に際して知っておいた方がいいTips、さらに実際に発売されている具体的な保険商品についての注意点にも踏み込み、ご紹介と解説をいたします。
新刊書籍

「生命保険のウソ・ホント」(九天社)

草野直樹・著

実在の保険商品をふんだんに例示して、生命保険の総論・各論を解説する保険本初の試み!
保険の新規加入、および見直しに必携の書!!

公的年金制度は、 現役の稼得収入の一部(保険料)を高齢者に移転する仕組みです。昨今は高齢化社会といわれることから、主に若い世代では世代間扶養の仕組みを不安視したり、また社会保険庁についての芳しくない報道から不信感なども増大したりで、未納のままの人も増えているようです。


年金の場合もやはり公的年金を第一に考え、民間保険(生命保険の年金保険など)はその補助という基本は忘れないで欲しいものです。なぜなら、福祉国家の建前からこの制度自体を根本からなくすことは今後もあり得ず、また現行制度自体はどの生命保険の商品よりも優れたものだからです。



たとえば、この先、とんでもないインフレが起こったらどうでしょう。今の100万円が、そのとき半分の価値しかなくなっても、生命保険で保険金を100万円と定めれば100万円しか受け取れません。



しかし、公的保険はその時の物価指数に合わせた給付になるのです。 この点だけでも、生命保険は公的年金にかないません。



「保障」はどうでしょうか。国民年金の「年金」とは、65歳になってから受け取る老齢年金のほかに、働き手が亡くなったときに遺族が受け取れる遺族年金や、同様に働けなくなったときに受け取れる障害年金 などもあります。生命保険の年金保険には、これほどの保障はありません。高度障害や収入保障保険なども−時金や保険期間として定められた期間の給付しかありません。



未納の人は今からでも遅くありません。保険商品検討の前に、まず社会保険事務所に行って年金の加入をきちんと済ませましょう。



◆保険料は集団での事故の確率で決まる

では、どうして保険は保険金額に比べてわずかな金額で、多額の保障を得られる「四角」になれるのでしょうか。

保険というのは、一口にいえば「万人は一人のために、一人は万人のために」という相互扶助の考えから生み出された仕組みです。将来起こるかもしれない不確実なリスクに多数の人がお金を出し合い、そのお金を運用して増やしながら、リスクに遭った人にはそのお金の中から保険金を支払うことができる制度です。それによって、万人はわずかな支払いで一人が多くの保険金を得ることができるのです。

個人が自らの生涯における災害や病気の有無や、死亡の時期などを予測することは不可能です。しかし、集団としてどのくらいの確率でそれが起こるかは長年の統計から予測できます。保険の仕組みは、個々にとっては偶然の事故を集団全体で確率的に必然化し、適正な予想を行うことで成り立っています。

ですから、生命保険に加入することで、自分が亡くなっても遺族に死亡給付金を残すことができます。約束した時期まで生きていたら、死亡したらもらえるはずのお金を受け取れることもあります。病気になっても、入院日数ごとに保険金が支払われたり、収入が途絶えたらそれを補償したりします。

その仕組みは、紀元前後のローマ帝政時代、コルレギヤ・テヌイオルムと呼ばれた相互扶助を目的とした宗教的組合(職業別団体)が始まりで、確率論や統計学を始めとする合理的な計算基礎をもった近代的保険の成立は、18世紀のヨーロッパといわれます。

我が国に保険制度を紹介したのは福揮諭吉です。『西洋旅案内』という本の中で「災難請合の事−インスアランスー」という表現を使い、生涯請合(生命保険)、火災請合(火災保険)、海上請令(損害保険)の3種類の災難請合について説いています。

◆生命保険の基本は人の生死

生命保険は、主に死亡保険、生存保険、生死混合保険の3つに分けることができるといわれています。

(1)死亡保険
文字通り被保険者が死亡するか、高度障害の状態になったときに支払われる保険です。定期保険や終身保険がその代表です。定期付終身保険のように、定期保険と終身保険の混合保険もあります。
(2)生存保険
被保険者が保険期間内に死亡せずに満期まで生存していた場合に保 険金が支払われる保険のことです。満期保険金をその後の生活の充実のために使うもので、個人年金保険や貯蓄保険などがそれにあたります。
(3)生死混合保険
死亡保険と生存保険を組み合わせたものです。つまり、保険期間内 に死亡した場合は死亡保険が支払われ、満期まで生存していた場合は満期保険金が支払われます。養老保険が代表的な生死混合保険です。子ども保険も、子どもの生死に関わらず何らかのかたちで保険金が支払われます。
保険と貯蓄は、両方とも大切です。

◆貯蓄のメリット

だからといって、貯蓄が無意味というわけではありません。保険に入っていて、もし死亡や入院等の事故がなければ支払った保険料は戻ってきません。しかし、貯蓄を続けるなら何もなければ取り崩すこともなくどんどん貯まっていきます。

たとえば、死亡保障について前ページの例で保険料を65歳まで35年間払い続けたとしましょう。月払いでは160万4400円、年払いで153万4400円を払い込むことになります。そのときまで生存していれば、払い込み保険料は「掛け捨て」ということになります。もし、それを保険ではなく貯蓄にまわしていたら、そしてその貯蓄を投資などで有効に運用していたら、決して侮れない金額に膨らんでいることでしょう。

保険はあらかじめ決められた保障しかありません。1000万円の死亡保陰に加入した場合、死亡すれば1000万円を受け取れ、何もなければ何も受け取れません。そのどちらか以外のケースはありません。

ところが、貯蓄してお金として持っていれば、それはいろいろな他のことに使えます。元気でいたら旅行をしてもいいでしょう。長生きのための健康診断や老後の生活費補助、欲しかった自動車や家電製品の購入も可能です。亡くなった場合の保障としての役割は、そこまで生存したことで終わり、今度は別の役割を担わせることができるわけです。

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◆「三角」と「四角」を「丸」く両立させる

貯蓄と保険はどちらも特徴があり、それぞれを補う形で存在しています。したがって、両者はどちらかだけを選ぶということではなく、大切なのはその兼ね合いではないでしょうか。

自身にとって望ましい費用準備金を実現するために、いくらまで保険に加入し、どのくらいの貯蓄をすべきか、それぞれの生活設計で判断し、四角い保険と三角の貯蓄をバランスよく組み合わせて、丸く収めていくことが大切なのです。
「貯金は三角、保険は四角」という言葉をご存じですか?

◆加入したときから約束された保障

「貯金は三角、保険は四角」

これは保険会社や保険の募集人が必ずといっていいほど使うセールストークです。つまり、保険を説明する際、もっとも簡単でもっとも原則的な説明にあたるわけです。では、具体的にどういう意味でしょうか。

下図を見れば一目瞭然です。

保険は三角、貯金は四角

縦軸を金額、横軸を時間軸として見てください。同じ金額を、一方では貯蓄、一方では保険加入に回したとしましょう。貯蓄はお金を少しずつ積み立てていくので、時間の経過とともに受け取れる合計金額が増えていきます。それは図に示すと三角形に見えます。

一方、保険はある保障額で契約するわけですから、加入したときから特定の保障額が約束されます。つまり受け取れる額が四角形になります。ゆえに、「貯金は三角、保険は四角」といわれるわけです。

もっとも、最近は保険商品もバリエーションが増えきました。たとえば、ローンや子育てで経済的責任が重い中高年の時期は保障を手厚くし、年を取って経済的負担が少しずつ軽くなるとともに保障を下げるというようなケースもありますから、その意味では真四角ではないのかもしれませんが、払込む保険料を超える保障が得られるという点で、今も保険の概念は立派に「四角」です。

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◆貯蓄と保険のメリットとデメリット

万が一の時に備えるとして、貯蓄の場合と保険に加入した場合のメリットとデメリットを考えてみましょう。

保険加入の最大のメリットは、加入したときから多額の保障を得られることです0たとえば、知歳の男性が1(棚方円の死亡保険に加入するとしましょう。オリックス生命の「ダイレクト定期保険」を例にとると、その保障額で月々の支払額は3820円(35年)です。月々3820円で1000万円の保障が得られるのです。

入院した場合はどうでしょうか。入院1日あたりの保険金を5000円得るために、同じ会社から発売されている「医療保険CURE」に加入すると、1690円(終身払い)になります。もし、数日間入院すると10万円が受取保険金額となります。

保険の場合、かりにまだ1回しか保険料を支払っていなかったとしても、不幸にしてそれらの事故に遭えば上記の約束した保障を手にすることができます(保険商品や保障の中には支払い回数による免責があります)。

これを貯蓄で実現するとどうなるでしょうか。もし、死亡保障の支払い保険料と同額の月々3820円ずつを貯蓄したとすると、1000万円に到達するまでに何と2618ケ月かかる計算になります。貯蓄で保険の死亡保障を上回る準備は生涯かけてもとてもできそうにありません。

入院保障も上記の例で60ケ月かかります。死亡保障ほど気の遠くなる数字ではありませんが、それでも5年貯蓄し続けないと保険の受取額相当のお金は貯まらないということです。もし、その5年以内のより早いうちに入院するようなことがあったら医療費はどうなるのでしょうか。そう考えると保険の有り難みを実感できるはずです。
生命保険について、アナタはどれくらい理解していますか?

◆「インシュアランス・ショッピング」のリスク

「保険料不払い?けしからん。でも被害者ももっと上手に対応できなかったのかねえ」

生損保各社の不祥事についてそう思われているアナタ。まずは、以下の問いに「はい」か「いいえ」で答えてみてください。

・生命保険は死亡時に支払われるので加入者自身は関係ない
・生命保険と損害保険の違いがわからない
・生命保険会社はどこも同じ商品を売っている
・生命保険とがん保険は別のものだ
・学資保険は郵便局で入る保険だ
・生命保険を勧めに来る人は生命保険会社の人間として商品説明する
・医療保険は生命保険会社だけで売っている
・重野仙−や地井武男は生命保険会社のCMに出演している
・自分が何の保険に入ってどんなとき保険金を受け取れるのか把撞していない
・生命保険は年を取るほど手厚い保障にした方がいい

これらは、正解はすべて「いいえ」です。いずれも保険知識としてはきわめて初歩的なことです。したがって、ひとつでも「はい」と答えてしまった人は、もしかしたら昨今問題になっている「保険金不払い」のようなトラブルの被害者になる可能性があるかもしれません。

◆たかが保険、されど保険

アナタは、700万円をドブに捨てたら惜しいと思いますか。もちろん、惜しくないわけがありません。実は保険の不払い事件というのは、それに等しいことなのです。

たとえば、今よりも利率の高い頃(1漱)年代後半)に2000万円の死亡保障(終身保険)に30歳で加入した人が、月2万円ずつ支払い60歳に払い込みを終えるとして、合計で約700万円払い込む計算になります。これはあくまで利率の高い頃に加入した場合の計算であり、今加入すれば払込額は1000万円を大きく上回るはずです。マイホームの頭金になる金額は、決して安い買い物とはいえないでしょう。

ところが、家や自動車と違い、保険は目に見えるモノではありません。その上一般の人には売り方も内容もわかりにくくなっています。保険会社もビジネスですから、支払いも責任も少なくしてより多くの加入者を集めるための工夫をします。加入者は商品について余り意識せず、というより積極的に向かい合うことなく何となく加入し、結果として莫大な金額を払い込みます。挙げ句が知識不十分のため「不払い」などという事態になれば、ただ金をドブに捨てるようなものです。あまりにももったいない話です。

そのようなことのないよう、現在何らかの保険に加入している人も、これから新規に加入したい人も、保険とはいったい何かというについて、一通り掌握しておくことは無意味なことではありません。まず、第1章では、「保険とは何か」というところからおさらいしてみましょう。